オープン系SEからゲームプログラマへキャリアチェンジした清水大樹(28歳)
なぜゲーム業界に興味を持ったのですか?
昔からゲームが好きだったというのはもちろんあります。本格的に考えるようになったのは、コンシューマーの手にわたるようなものが作りたくなったからです。というのも、私は大学卒業後にシステムインテグレーターに就職し、企業の会計システムなどの開発に携わってきました。でも実際にシステムを扱う経理や総務の方と話ができるようなポジションではなかったので、自分が作ったものが誰かを喜ばせているという実感が持ちにくかったんです。それでだんだん、誰かを楽しませるものづくりがしたいなと思うようになったんです。

今はどんな会社で働いているのですか?
アーケードゲームの開発メーカーで働いています。社名は一般には知られていませんが、たいていのゲームセンターに置いてあるような人気タイトルを作っています。
創業メンバーはもともと大手ゲームメーカーで働いていたクリエイターだったのですが、自分たちが本当に面白いと思えるゲームだけを作りたいと考え起業したんだそうです。だからゲームへのこだわりがすごくて驚きましたね。IT系のシステムだと、納品後にユーザーの声を聞いてさらに使い勝手を向上させていくことが多いのですが、ゲームは納品の段階でベストにたどり着かないといけない。特にアーケードゲームの場合だとお金を払ってプレイするわけですから、一度つまらないと思われたら二度と遊んでもらえませんからね。プランナーとかデザイナーとかプログラマーとかの垣根を超えて、「このほうが良くない?」って議論を何度も何度も繰り返すんです。その段階で、やっぱり違うやり方のほうが良いとなったら、作業を巻き戻してでもやり直す。転職したばかりのころは、徹底したものづくりへのこだわりに圧倒されてばかりでした。
異業種からゲーム業界へキャリアチェンジできた理由はなんだったのでしょう?
前職でUNIX環境での作業が必要になった時があって、少しだけC言語を扱ったことがあって。ゲーム開発は主にC++で行っているので、多少は技術的な親和性があったかなと。
コミュニケーション力や調整力に期待していると言われたことはありますね。前職のITでは大勢のメンバーでシステムを組んでいくのですが、大多数がエンジニアなので、いわば同じ属性の人たち。でもゲームはデザイナーがいたりプランナーがいたりキャラクターデザイナーがいたりといろんな職域の人と協力してやっていかないといけないので、異文化交流を苦にせずやっていかないといけないんです。僕は割りと、相手が誰であっても臆せず言いたいことを言っちゃうタイプなので、それが気に入られたのもあったかもしれませんね。