中小から大手へゲーム業界内でキャリアアップを果たした小松美月(26歳)
なぜゲーム業界に興味を持ったのですか?
4歳年上の兄がいて、子供の頃はその兄の影響で私もゲームが大好きでした。それで、高校卒業後はゲームデザイナーを目指して専門学校。3DCGやドット絵などのゲームグラフィックについて学び、卒業後に小規模ですがゲーム開発会社に入社しました。そこは初代Playstationの頃から家庭用ゲーム機のソフトを開発していた会社で、メジャーではないもののカルト的な人気のゲームをいくつかリリースしている会社でした。私も聞いたことのあるタイトルがいくつかあったので、ここならやりがいが得られるかなと思って決めました。

その会社はディベロッパーだったので、自社で開発して販売元に納品するというのが主な流れ。納品間際は会社に泊まり込みなんてザラでしたね。大変ではあるものの、なんだかサークルの合宿のようなノリがあって、すごく居心地がよかったです。結局その会社には5年ほど在籍し、自分が携わったタイトルは3本がリリースされました。
転職を考えるようになったのは、PlayStation3が出た頃でしたね。ハードウェアのスペックが上がると、それに見合ったソフトを生み出すのに莫大な予算がかかる。昔のようにワンアイデアで世の中をひっくり返すようなことが難しくなってきました。当時の会社は大規模な開発はできませんでしたので、だんだんケータイ向けのゲームやPC向けのブラウザゲームにシフトするようになっていって。それでも私はコンシューマー向けのゲームを作りたいと思っていたので、環境が良いところに転職しようと考えたんです。
今はどんな会社で働いているのですか?
業界で言う大手のゲームメーカーです。前職で私が関わったタイトルをマネージャーの方も遊んでくれていたようで、一緒に面白いものを作ろうかってことになりました。今は某伝統的なRPGのプロジェクトメンバーとして、グラフィック制作に携わっています。Nintendo 3DSの移植タイトルで、既存のキャラクターを3Dポリゴンに起こすのが主な役目。元々がドット絵なので、「後頭部はどうなってるんだろう?」、「この服は脇の部分はどうなってるんだろう?」と想像しながら作ることになります。細かなところですが、自分なりの解釈を込めながら作れるところはたのしいですね。
大手企業へキャリアアップができた理由はなんだったのでしょう?
たとえ中小規模のゲームメーカーで働いてたとしても、スキルや実績が通用しないということはないんだなと思いました。これが私の作品だ!って胸を張れるタイトルがあれば、たとえ大手企業でも自信を持ってチャレンジすれば大丈夫だと思います。