ITアーキテクト
ITアーキテクトとは、情報システムの開発プロジェクトにおいて、顧客の要望を汲み取り、システムの設計を専門に行う人のことです。厳密には、経済産業省のITスキル標準(ITSS)によって定義づけられている職種です。アーキテクト(Architect)は「設計士」という意味で、その名の通りITシステムの設計士といえます。顧客やビジネスプランナーの指摘する経営上の課題を汲み取り、それを解決しうるシステムはどういうものか、また、どのように開発するか、というシステム開発全体の設計図を作ります。
ITアーキテクトにはどうやったらなれる?
ITアーキテクトになるための資格などはないため一概には言えませんが、ITスペシャリストとして10年以上システム開発やプロジェクトリーダーを経験した人がなる場合が多いといえます。実装作業はしませんが、アーキテクチャスキルのみならずプログラミングスキルも十二分に備えてなければなりません。また、活動場所は自社内でのプロジェクトチームのみならず、他社のエンジニアと協働したり、顧客と打ち合わせをしたりするので、ビジネスパーソンとしての倫理観や対外コミュニケーション能力も備えてなければならないといえるでしょう。
鷲頭教授の「お仕事のミソ」

先生、この写真見て下さい!おしゃれでしょう?!

おお!きれいな部屋だな、陽の光を無駄なく取り入れた意匠に匠の技を感じるッッ!!

昨日うちの実家の建て直しが終わったんですよ!テレビ番組にも出たことがある有名な建築士さんにお願いして作ってもらったんです。

何ということでしょう。
なるほど、家を設計する者が優れていると自然と良いモノが出来るわけだ。
IT業界においては「ITアーキテクト」がそれを担うシステムの匠であると言えるかもしれないな。ITアーキテクトは簡単に言うとシステム開発の設計図を作る人だ。家を例にして説明すると、家を作る際、『家主→建築士→大工さん→完成』という流れがあるが、これをITに置き換えると、『顧客→ITアーキテクト→プログラマ・SE→完成』ということがいえる。
なるほど、家を設計する者が優れていると自然と良いモノが出来るわけだ。
IT業界においては「ITアーキテクト」がそれを担うシステムの匠であると言えるかもしれないな。ITアーキテクトは簡単に言うとシステム開発の設計図を作る人だ。家を例にして説明すると、家を作る際、『家主→建築士→大工さん→完成』という流れがあるが、これをITに置き換えると、『顧客→ITアーキテクト→プログラマ・SE→完成』ということがいえる。

要はSEが設計を兼任するんじゃなくて、ITアーキテクトっていう専門的な人を立てるって意味ですよね。でも、SEとかだけで済む場合もあるんだったら、ITアーキテクトなんていらないんじゃないですか?

いらない、という観点で論じるのは不適切だな、「効果的」という表現が適切だ。確かに、設計も実装も行えるエンジニアはごまんといるだろうが、ITアーキテクトを立てて分業することに意味がある。先ほどの家を建てる例でもいえるが、戦前ならまだしも大工さんが建築士を兼任することはまずないだろう?エンジニアとして経験あるものが「設計スキル」に注力を注ぐことで良いものが完成する、そのためのITアーキテクトだ。経済産業省が定めた基準によってITアーキテクトというものが定義づけられているのだが、その中で三つのタイプに分類されている*1。
一つ目に、
二つ目に、
三つ目に、
いずれの場合も一人の独断で進めるわけではなく、顧客やプログラマと相談しながら設計をするチームプレイであることが多い。そういう所でいうと家屋の建築家とは違うかな。
一つ目に、
スペシャリスト系アーキテクト
システム全体の技術仕様を決めたりプロジェクトにおける共通基盤の整備などを行う。二つ目に、
プロジェクトマネジメント系アーキテクト
開発プロジェクトのマネジメントを兼ねる。チームの設計者とでもいえるだろうか。三つ目に、
コンサルタント系アーキテクト
コンサルタントのように開発プロジェクト全体のアーキテクチャ設計を範疇とする。いずれの場合も一人の独断で進めるわけではなく、顧客やプログラマと相談しながら設計をするチームプレイであることが多い。そういう所でいうと家屋の建築家とは違うかな。

何か色々と忙しそうなお仕事ですね。こうしてみるとプロジェクトリーダーとかとあんま大差ないように思ってしまうのですけど。

うむ、プロジェクトリーダーなどと異なり、ITアーキテクトはプログラミングをしない、という違いが言える。そして作業が「予見的」であり、加えて「独創性」が求められる。経営課題とシステム開発を結びつけるという業務の性質上、業界の経済的な動向とIT技術の利用動向の二つを常に勉強しておかなければならない。家の設計で、このご時世にバストイレ一緒とかタイル張りのお風呂とかを設計するのがナンセンスであるということを把握しておくようにね。創造性が求められるから、経験からくるセンスという机上で勉強して身につけられる以外のものが大きく重要になるから、経産省の出しているモデルキャリアパス*1においてもエンジニア経験10年以上の者がITアーキテクトに成り得るとされている。プレゼン能力や問題の整理能力といった営業スキルに加えて、エンジニアとしての技術力・組み立て能力が必要な仕事といえる。

ITの匠…まさにって感じですね。僕もしょぼいシステムをリフォームして素晴らしいシステムにする匠なITアーキテクトになってみたいです。

くれぐれも欠陥システムを作らないようにね。

…(´・ω・`)
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